生物学を学びたいあなたへのブックガイド
高林厚史助教による生物学を学びたいあなたへのブックガイドです。
生物学専攻ではないけれど、生物学を学びたいあなたへ
- カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書<第1巻ー第5巻>
出版:講談社 ブルーバックス(新書)大学生物学の入門的教科書の「LIFE」の邦訳をブルーバックス(新書)分冊で出版した本。 コンパクトにまとめられた生物学の基盤的知識が、カラーの図や写真をふんだんに使いながら説明されている。 ブルーバックス新書として出版されたため、通常の教科書より携帯性に優れており、学びやすいのが特徴。
- エッセンシャル・キャンベル生物学
出版:丸善出版世界的な生物学教科書「キャンベル生物学」のコンパクト版。普通の細胞生物学・分子生物学の教科書と比較して、「進化」や「生物多様性」、「生態学」を概観できる点が特徴。実は、生物系の学生でも「細胞生物学」や「分子生物学」は深く学んでいるものの、「進化」や「生態学」の教養を持たない学生は珍しくないので、そういう方にもお勧めです。
- 分子生物学講義中継(Part0(上下2巻)とPart1-3)
著:井出 利憲、出版:羊土社現代生物学にとって必須の「細胞生物学」と「生化学」、そして「分子生物学」の大切なポイントやその面白さについて、講義のような親しみやすい語り口で基礎からわかりやすく丁寧に教えてくれる本。大学受験の「実況中継」シリーズをご存知の方はイメージが湧きやすいと思います。敷居は低く初学者にも安心して進められる本ですが、その一方で、自分の周囲の生物専攻の学生や教官にも評判が良く、まさに「名著」。
当研究室を修士から夏に受験したいあなたへ
北海道大学大学院環境科学院では毎年試験範囲を公開しています。現時点(2024年4月 )では、専門科目は「キャンベル生物学」と「細胞の分子生物学」が試験範囲(指定教材)になっているようです。
ただ、実際には、「細胞の分子生物学」は難しいのでその代わりに「Essential細胞生物学」を学ぶ人も少なくないようです。 また、基礎学力に自信のない方は「アメリカ版 大学生物学の教科書」をざっと読むことから始めてもいいと思います。
光合成に興味のあるあなたへ
光合成の一般向けの本では、園池先生の本がお勧めです。また、園池先生のウエブページ「光合成の森」のコンテンツは本当に素晴らしい内容ですので、ぜひ訪ねてみてください。
- トコトンやさしい光合成の本
著:園池 公毅、出版:日刊工業新聞社光合成について幅広い視点から、トピックごとに、非常にわかりやすく書かれています。親しみやすい図が多用されていて、光合成に興味を持った人に、まずお勧めの1冊です。
- 光合成とはなにか
著:園池 公毅、出版:講談社 ブルーバックス(新書)光合成の基礎をしっかりと学ぶことができる、素晴らしい教科書です。一般向けの本でありながら、内容はとても充実しており、当研究室に入った学生はこの本を買って何度も読み返すことで光合成を学んでいます。一般に光合成研究は長い歴史を持ち、しかも広義の光合成はかなり広い概念や現象を含んでいるため、このような幅広い知識をバランスよく取り扱いながら、しかも原理をわかりやすく伝える本、というのは本当に貴重です。エッセンスが濃縮されていますので、折に触れて何度も読み返すことで、理解が深まっていくはずです。